1.曲がるスギ材をつくる・活かす 実験

 新しい素材は、樹木(たとえば人工林のスギ)が生育環境で備わっていた生物的な変形特性を引き出す方法でつくられます。伐採・製材後、乾燥前のおいしそうな帯状の板を、柾目や板目にかかわりなく、温めることもなく、支持体の形状に従って、あたかも私たちが筋肉のストレッチをするように、繊維間をゆっくり伸ばしながら、位置をずらしながら変形させていきます。すると、節があっても、穴があいていてもきれいに曲がっていきます。

 曲げられた素材は、もちろん、スギ材そのものの「香り」と「艶」と「響き」のままです。熱を加えてないから、香りや艶、リラックスの成分が飛んでいくこともありません。煮込み用の水槽もいらないから素材の長さに制限はなく、曲げられる長さも無限大(製材できる最大の長さ)です!

 そしてさらには、その形状に乾燥させた後に、曲率半径を自在に変更させることもできます。バネのように伸び縮みする不思議なスギ材です。

 日本各地の人工林で成熟したスギ材や放置林のスギ材を、このバネのように伸び縮みする不思議なスギ材に変えて、趣味の領域から工芸領域、家具や内装領域から建築構造部材の領域まで、曲線、曲面を楽しむ木材として利用していただければ有難いなと思っています。

https://sites.google.com/view/nekkon-na-mori/曲がるスギ材

ブログカテゴリーの記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です